『THE NEW LOOK OF TEA 新しいお茶の楽しみ方』ロンドン展
会期:2019年11月20日〜2020年1月10日
会場:在英国日本国大使館
本展覧会は日本で育まれた「お茶」の文化を見つめ直し、現代的なお茶の楽しみ方 『THE NEW LOOK OF TEA』 を提案するものです。茶を飲む習慣は、9 世紀頃に中国から日本に伝わりました。16 世紀半ばに千利休が現れ、当時の日本の「同時代」の美術作品、工芸作品を大胆に使った「茶道」(侘び茶)を編み出しました。
お茶を飲む空間は様々な道具で構成されますが、それらを選ぶこともまたお茶の楽しみのひとつです。本展ではお茶のしつらいを、現代美術のアーティストと工芸作家の作品で構成します。展示される漆器はすべて三代目村瀬治兵衛の作品です。村瀬家は江戸時代から続く漆芸の家で、初代治兵衛から茶人との交流を深め、当代治兵衛は形状も装飾も因習にとらわれない創造的な茶の器を生み出してきました。本展で展示される茶碗、風炉、釜、書などは、当代治兵衛の審美眼で選んだ、現代日本の作家による作品です。同時代の最先端の美を追及する茶道の精神を表現するために、ロンドン在住の現代美術アーティストさわひらき氏の作品を特別に展示します。
会期:2019年11月20日(水)~2020年1月10日 (金)
会場:在英国日本国大使館1階ロビー 101-104 Piccadilly, London, W1J7JT 地下鉄Piccadilly駅
開場時間:午前9時30分~午後5時30分
休館日:毎週土曜日、日曜日、2019 年 12月25日(水)、26 日(木)、30 日(月)、31 日(火)、2020 年 1 月 1 日(水)~3 日(金)
入場無料 (入場には ID 写真付きの身分証明書が必要です。受付でお示しください)
私にとっての茶会
私の最も古い思い出のひとつは、お茶を楽しんでいる家族の姿です。
それは、私が小学校に入る前のことで、毎月家で祖父が開いていた茶会に、
茶人、僧侶、芸術家など、いろいろな人が集まっていました。茶会の後には宴会があり、
酒を飲みすぎて家に泊まっていく人もいました。私は、仕事より先に、お茶に出会ったのです。
その後私は家業を継ぎ、仕事のかたわら毎月茶会を開いてきました。
茶会は、現代の工芸を使う場としても機能しています。同時代に生きる作家の作品を使って茶会を催すことは、
私の楽しみでもあります。古くからの道具が、作家の手によってどのような意匠で現れるか、
それにも期待しているのです。日本の工芸の未来は、「茶」の周りから生まれると信じています。
村瀬治兵衛