内容紹介

〈なぜ、着物の前あわせは「右前」にするの?〉
〈なぜ、節分の鬼は牛のような角で、虎柄のパンツをはいているの?〉

「なぜ、土用の丑の日に鰻を食べるの?」という定番の質問に対し、「体調を崩しやすいこの時期に、養生するため」と答える人は少なくありません。それでは「なぜ、この時期は体調を崩しやすいのか」を知っていますか? 年中行事を実践したり、昔話を知っていても、その深い理由まで説明するのは難しい──本書は、そういった日本のならわしの「なぜ?」を陰陽五行によって解き明かします。図とイラストを使って、はじめての人にもわかりやすく紹介します。私たちの祖先は古代中国の思想・哲学である「陰陽五行」を信じて、今日まで年中行事などを受け継いできました。陰陽五行を学ぶことは、大人の、そして日本人の教養です。

 

内容紹介

贈りものを和紙で包む「折形」をはじめてみませんか。たとえば、お祝いやお礼の気持ちを込める「のし紙」や「のし袋」を自分で折って、包むことができます。ほかにも、お年玉包みや祝い箸包み、お祝い事に使われるごま塩包みなども折形に含まれます。本書では、お手軽な懐紙を使った折形31種類のつくり方をご紹介します。ちょっとした心付けやおもてなしの際にうってつけです。いつでも・その場で・大切な人に、お祝いやお礼の気持ちをさらりと包んで、素敵な大人になりましょう。水引の結び方9種類も収録。

 

嘉門工藝では、正月飾り・節句飾りなど監修していただいています。

【重陽の節句とお月見】

九月九日は重陽の節句です。五節句の中でも、重陽の節句は、他の「人日の節句」「ひな祭り」「端午の節句」「七夕」に比べて、あまり馴染みのないお節句ですが、実は、命を長らえることを祈るとても大切な行事なのです。

重陽とは、中国の陰陽説からくる名前です。陰陽説では、世の中のものは全て陰と陽に分けられるという思想があるのですが、数字も陰と陽に分けられ、奇数は陽、偶数は陰に分けられます。中でも九月九日の「九」は、陽の数字の中の最も大きな数で、陽を象徴するような大切な数です。五節句の日は、全て奇数の重なる日に執り行われるのですが、この重陽の節句のみ、名前に「陽」が強調されている重要な節句です。

重陽の節句は、別名、菊の節句とも呼ばれ、菊の花を愛で長寿を祈ったり、菊酒を飲んで、その生命力をいただくことが古来行われてきました。菊には邪気を祓い、生命力を増すための力があると考えられていて、菊の別名は、千代見草とか齢草など、長寿にちなんだ名前がつけられています。平安貴族は「菊の被せ綿」と言って、重陽の日の前の晩に、菊の花の上に真綿を被せて菊の花の精を綿に移し、朝にその綿で体を拭いて菊の花の生命力をいただき、齢を伸ばしたともされています。

 旧暦の八月十五日(今年は九月二十四日)は、十五夜のお月見です。月は新月から満月へと日々、形を変え、私たちに宇宙の営みを示してくれますが、旧暦八月、田や畑から様々な収穫物が採れる頃、秋、空気が澄んできた十五夜の満月の日に、天からの恵み、大地からの恵みに感謝をする収穫祭がお月見です。日本では、旧暦八月の十五夜と旧暦九月の十三夜(十月二十一日)の両方のお月様を見ることが縁起のいいこととされています。十五夜は、芋名月と呼ばれ、お月見団子と共に、古くは主食であった里芋などの収穫物をお供えします。一ヶ月後、後の月の十三夜は、栗名月、豆名月と呼ばれ、栗や大豆などをお供えし、私たちを生かしてくれている宇宙の大いなる力に感謝を表します。

【七夕】

七月七日の夕方には、天空の天の川を挟んで織姫様と彦星様が一年に一度、天帝様の許しを得て会うことができるという星合い伝説が、中国から伝わっています。七日の夕方の行事ということで、「七」と「夕」のキーワードでできた「七夕」を「たなばた」や「しちせき」と読みますが、普通に読んだら「たなばた」と読むことができませんね。中国から七夕が伝わってきたのは、奈良時代。宮中で星の座を作って乞巧奠の星祭りをしたのが最初とされています。それ以前の古代の日本では、この時期には古代の棚機式の織機を織る棚機津女と言われる若い乙女が神様に捧げる神衣を織るという習俗があり、それと中国からの織姫様、彦星様の星祭りにちなんだ乞巧奠の行事が習合し、「たなばた」とも言われるようになりました。織姫様は機織の仕事をしていましたが、乞巧奠の星の座には織姫様にちなんで、五色の織物や糸、針などの裁縫に関するものや、書や和歌のための紙や筆、数々の楽器など、技芸の上達を願うためのものが、麦、瓜、桃などの季節の収穫物と共に星空の下、供えられました。七夕には、五色の短冊に願い事を書くと願い事が叶うと言われますが、青・黄・赤・白・黒(紫)の五色は、陰陽五行思想の宇宙を統べる五行に通じ、五色が揃うことで強い魔除けの力を持ちます。また、梶は、当時、大変貴重であった紙の原料の楮であり、その繊維は神事には欠かせない御幣にも使われるほど神聖な力を持つ聖なる植物です。そして、梶の葉を象った梶の葉紋は諏訪大社などの古くからの神社の御神紋でもあるように、梶の葉は神聖で神々しいばかりです。

【伝統工芸 奈良一刀彫り 月こよみ】

  •  日本の歳時記を身近に ―

奈良の一刀彫りは平安時代末期、春日若宮祭に飾られた人形が始まりと言われます。神事のためのものであったため、できるだけ人の手に触れないようにと豪快で簡素な彫りに、そして、能の装束などの雅な宮廷文化の影響を受けて華やかな極彩色を施されました。神様のために生まれた一刀彫りのあえてシンプルに鑿の跡を残した木の風合いと神様に捧げられる美しく鮮やかな色彩が、今も私たちの心に響きます。古くからの伝統を受け継ぎながら新しい創作に挑む浦弘園先生が日本の歳時記を楽しむ「月こよみ」を届けてくれました。

日本には美しい四季があり、一年を通じて様々な行事がありますが、

古都奈良の一刀彫りの巫女さんが毎月、日本の伝統行事にちなんだ一刀彫りのお供え物を捧げ持ちます。一月は新年を寿ぐ紅白の鏡餅、二月は立春を迎えるための節分の鬼の面、三月は雛祭りの雛人形、四月は桜扇、五月は端午の節句の兜、六月は梅雨の季節のてるてる坊主、7月はお盆の鬼灯、八月は涼を呼ぶ西瓜、九月は重陽の節句の菊、十月は紅葉狩りの紅葉、十一月は鞠、十二月は春を待つ雪うさぎ、そして、嘉門工藝の特別企画として十三個目にギフトボックスが!

ご自分やご家族のお誕生日に、巫女さんがプレゼントを捧げてくれるなんて、とても幸せです!

一年を通じて、こんな楽しい日本の歳時記を感じられたら、もっと日本が大好きになりそうです。